■グレイス嬢■


グレイス嬢お着物姿

グレイス嬢はニケさんの最初のお嬢さんである。

その、ひとりめのお嬢さんからいろいろ改造してるあたりが、なんともニケさんらしいと言うべきか。

 4 ニューボディ製作コンセプト
 3 ほんのりほのぼのサンタさん
 2 胸も露わなアブナイ写真
 1 グレイスさんの頭の中身


Ninna / Cecile


return to menu


【グレイスさんお迎え秘話】

        ふと見上げた視線のその先に
        きみの微笑み。
        ぼくの恋は、その時に始まった。

お迎えの経緯と云うのは、まことにもって人それぞれ。

ニケさんの場合はどうなんでしょか?
野次馬としてはちょっと気になるところ。
もともとガレキ者だし、結構淡々と、カスタム素材として購入しただけなんじゃないでしょうか?
そんなふうに思ってました。

もちろん、そういうお迎えが悪いって意味じゃないですよ。
人形との接し方なんて個人の自由。
自由ってゆうより、ひとりひとりにとって 「人形」 の持つ意味って違うと思うんですよね。
その結果として、接し方も千差万別とならざるを得ない。
だからそれは構わないんだけど、ニケさんはどうなの?

みなさんもこのサイト見ていただいてお判りのように、ニケさんてばけっこう派手なカスタムをやってます。
オリジナルボディをじゃなくて、複製してかららしいけど、かなり大胆に切り刻んだり繋いだり、さながらちょとしたマッドサイエンティストのようです。

そういうのってどうなんでしょうね?
SDに対して愛情とゆうより、単にカスタム素材として、ドライな捉え方をしてんじゃないでしょうかね?
そんな想像をしてました。

ところが。
私なんかは、ニケさんとちょくちょくチャットなぞさせていただいてる関係上、しばしば彼の人形観の片鱗にも触れる機会があるわけですけど、そういう席でしばしば私の想像とはちょっとかけ離れた言葉をきくわけです。

最初にきいたのは
「複製であっても最初にカッターを入れるときはものすごく躊躇います。なんだか・・・とっても痛そうで」
という言葉。
こう言っちゃ失礼かもしれないけど、ものすごく意外でした。
もっと、こう・・・本当にモノとしてしか見てないひとかと思ってたから。

でも、そうじゃないんですね。
お人形に対して、かなり、へんな (笑) 思い入れがある。
なんだか安心しました。(笑)

さてそうなると・・・
カスタム素材として、でないとすると、ニケさんはなぜグレイスさんをお迎えするに至ったのでしょう?

そんな疑問が頭をもたげてきたある日のチャット。
話はいつしか、それぞれのお迎えの記憶を辿るものとなっていたのです。
ニケさんの口から意外な言葉が漏れました。
「あれはお迎えさせられたんだよ」と。

お迎えさせられた?
妙な言い回しではありませんか。
さらにニケさんは言います。
「あんなお迎えしたオーナーって私以外にいないんじゃないかな? それに、あんな間抜けな引き取られ方したMSDも、グレイス以外にいないと思うよ」

なんすか、そりゃ?
私が、
「まさか雑誌広告のマギーが目で訴えてたとか言い出すんじゃありますまいな?」
半ば揶揄のつもりでそう言うと、
「あ、それに近い」
即答するニケさん。
「だってグレイス、棚の上から見てるんだもんなー・・・」

はい???
それはどんなお迎えよ?

そう、それはこんなお迎えだったのです・・・。

それはいまから2年と少し前 (2001年) の、ある秋の日のこと。
その頃ニケさんは、SDのことを知識としては知っていたけれど、興味を感じていなかった。
造形表現の媒体として惹かれるものが全く無かったのだ。
彼の目にはガレキしか写っていなかった。
実際、ニケさんはその頃、 「CCサクラ」 のガレキにかかりっきりで、その日も、その組み立てに必要な各種部材を仕入れるため、いつもの模型屋に立ち寄ったのでした。

「おばちゃ〜ん、××と××と××ちょうだ〜い。あと××もねー」
「あいよ」
てな会話があったんでしょうな。
ひととおり買い物をすませ、世間話などしていると、突然おばちゃんが言ったわけですよ。
「ニケさ〜ん、あんたこれ引き取ってくれない?」
おばちゃんはそう言って自分の背後、棚の上を指し示した。
「は?」
見上げるとそこにはピンクの大箱。
かなり大きい。
唖然としながら見上げるニケさん。
ピンクの箱にはラベルが貼られていて、その中から裸身の美少女がひとり、優しい笑みを送ってきている。
「なんですか、それは?」
「これねぇ、ボークスのミニスーパードルフィーっていってね・・・」
おばちゃんの説明が始まる。

「間違って配送されてきたのよ」
そんなことがあるものなのだろうか?
おばちゃんによれば、先日の問屋さんからの配送の中に紛れこんでいたのだと言う。
丁度仕事の忙しい時間だったし、配送とも顔見知りの仲だしで、細かい検品などしなかったらしい。
気が付いてみれば、配送された荷に混じって、頼んでもいない箱がひとつ、おろされていたということらしい。

「返品しちゃえばいいじゃない」
「もう伝票にサインしちゃったからねぇ・・・そうもいかないのよ」
おばちゃんはすがるような目をニケさんに向ける。
「こんなもん引き取ってくれそうなのは、うちのお客さんじゃニケさ〜んアンタだけなのよう」
「そ、そんなこと言われても・・・」

その日は早々に退散。
SDの名前はホビージャパンなんかで見知ってはいたけど、自分とは関係のないものだと思っていたし、興味も無かった。
けどやっぱり気にはなる。
その日からネットでの検索が始まった。

ボークスのサイトを見、ドールサーカスを知り、さまざまなSDサイトを見てまわる。
なるほど。
人形といっても決して完成型というわけでは無いらしい。
いろいろといじる余地はあるようだ。
そういうことであれば話は別だ。
それに、自分が引き取らなければあのMSDは一体どうなるのだろう?
あのまま棚の上で埃をかぶって朽ちてしまうのだろうか?
・・・・だんだん哀れにもなってくるし。妙な責任のようなものがもたげても来る。
だからといって、はいそうですかと気軽に迎えられる様な値段でもない。
しばらく葛藤が続いた。

けど、用事で模型屋に行く度に、ピンクの箱の少女が微笑みかけてくるんだな。
なんだか、少し恥ずかしそうに、さ。
その微笑みは少しばかり自分を照れて、はにかんでいる様にも見えた。
本来行くべきだったところと間違えて、こんなところへ流れてきてしまった自分を恥じているようでもあり、途方にくれているようでもあった。
少なくともニケさんにはそう見えた。

しょうがないな〜。
ニケさんは決心した。
こんな方向音痴、自分が面倒みてやるしか無いじゃないか、と。
自分がこの子をお迎えしよう、と。

グレイスさんがニケさんの家にやってきたのはそういうわけ。

お迎えの経緯というのはまことにもって人それぞれ・・・。
ねぇ?
そう思いませんか? (^^)


return to menu / bbs for eb-girls